再発率を高める要因として、FIP治療薬の品質もポイントとなる一つですがそれよりも大切なのはFIP治療のルールに沿った治療を行っているかどうかということです。これらを守ったからと言って再発が100%起こらないという保証はできませんが、ルールに沿っている方の方が再発率が低い印象です。
再発率を高める要因についての記事をまだご覧になっていない方はこちらの記事もご参考ください。
>>> FIP治療で再発率を高める9つの要因
それでも粘り強い猫伝染性腹膜炎ウイルスのせいで再発、そして薬剤耐性がみられた場合にどのように治療を行うかについてまとめてみました。
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ToggleFIP治療の再発・耐性時の治療法
再発や耐性が見られた時に行う治療方法は主に4つあります。基本的にはご自身に合うものを選んでいただければ良いですが、治療期間や投薬量そして使用する薬剤について迷われていましたらいつでもご相談ください^^
GS-441524に変更する
モルヌピラビル(EIDD-2801)やレムデシビル等のGS-441524以外のものを使用している方向けに推奨です。
使用中の薬剤の量を30~50%増やす
猫伝染性腹膜炎の再発の場合、薬剤耐性が伴っている場合が多いです。その場合には初回の治療にて使用していたお薬の量を増やしてあげると治療効果が期待できます。
配合剤にて治療を行う
クローバー社のCurecatというブランドから配合剤が販売されています。
この配合剤というものはGS-441524と数種類の抗ウイルス剤が1つのカプセルに入っており、ある程度GSへの効き目は見られているが、なかなか良くならない場合に配合剤を使用します。
GS-441524を増量し続けるよりも、費用の負担が少なく、より治療効果が見られています。
モルヌピラビル(EIDD-2801)に変更する
GS-441524を増量したり、配合剤にて治療を行ってみたが状態が安定しないという場合にモルヌピラビルを使用して猫伝染性腹膜炎の再発治療を行います。
猫ちゃん用のモルヌピラビル治療薬剤
モルヌピラビルで治療を行っている方は人間用のモルヌピラビルを使用したお薬を使用している方が大多数だと思います。この猫ちゃん用のモルヌピラビルは既に販売されている人間用と成分は同じですが、FIPの治療薬として猫ちゃん用に適したモルヌピラビルの量での販売を行っています。注射薬は1mlあたり2mgの含有量、経口薬は体重1kgあたり基本1/2錠服用と投薬量が明確になっているため、モルヌピラビルにて治療中のご家族の投与量の管理や服用が容易になるのではと思います。