猫ちゃんへの皮下注射について準備編〜注射編まで記事を載せていきました。まだ読んでいない方は下のリンクを是非参考にしてください^^ さて今回は皮下注射をする上でよくある質問について一問一答形式で紹介していきます!
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Toggle猫伝染性腹膜炎の皮下注射治療の要約
皮下注射への疑問 ~一問一答編~
① 動きすぎて、注射が難しいです
GS-441524やモルヌピラビルの猫伝染性腹膜炎の治療薬の効果によって、気力が出てきて注射への反抗がより激しくなります。2人で行う場合と1人で行う場合を紹介します。それでもどうしてもなかなか制御できないという場合には保定袋や大きいバスタオルも使用してみてください。
どうしても注射での治療を行わないといけなく、抵抗がかなり酷い場合ストレス緩和してくれる薬の処方は可能かかかりつけ医と相談をしてみてください。
2人で注射が可能な場合:
1人が猫ちゃんを座らせて肩とお尻を押さえ、もう1人が注射を打つ
座らせる時に前足を少し引っ張ってあげると座らせやすくなり、猫ちゃんの動きの制御がしやすくなります。猫ちゃんは柔軟で力が思ったよりも強く、座った状態での投薬をお勧めします。
1人で注射を打つ場合:
猫ちゃんを床に座らせて、ご自身の足で立ち上がれないように肩をぎゅっと制御してみてください。
② 注射中に噛もうとします
注射針を刺した後に愛猫ちゃんが噛もうとすると、ご家族の方の手に傷ができたり、注射針が抜ける可能性があります。そのためネックカラーを着用させてあげると噛まれることを防止できます。
顔を布で隠してあげたり、ちゅーる等大好きなおやつをあげながら注射も試してみてください^^
③ 注射針が上手く入りません
猫ちゃんの皮膚は人の皮膚と比べてかなり厚く、注射針が入る時に分厚い皮を突き刺す「ぶすぶす・ぶちぶち」という感じがします。
また注射針がスムーズに入らなくて焦ってしまいがちですが、優しく刺そうとするのではなく、力を入れて素早く入れてあげると猫ちゃんにとって負担が小さくなります。
④ 注射はどの部位に打ちますか?同じ部位に打ち続けても良いですか?
GS-441524のFIP注射用の液体は成分の特性上、酸性を帯びています。そのため一か所に集中して注射を打ち続けると皮膚が固まり炎症が起こりやすくなります。
注射は背骨付近を除き肩からお尻までどの部位に打っても問題はありません。前述のように打つ場所が重複し続けると炎症が起こりやすくなるため、毎日注射部位をローテーションして重複しないように管理してあげることをお勧めします。
⑤ 皮膚がよく伸びず、テントが上手に作れません
痩せていたり幼い子の場合、皮膚が伸びないことがあります。しかし猫ちゃんの皮膚は思っているよりもよく伸びます。
しかし治療が進んでいくうちに注射を打つタイミングが分かるようになった猫ちゃんが、緊張すると皮膚が伸びにくくなります。このような時は無理に猫ちゃんと戦うのではなく、しばらく見守りながら油断した隙に、素早くテントを作り注射を打ってみてください。
毎日同じ時間に投薬を行わないといけませんが、数分の差であれば問題はありません。
⑥ 注射後の出血
この場合、必ずしも筋肉や血管に触れたという訳ではなく、注射針が毛細血管に触れて出血する場合があります。アルコール綿を使用し止血しながら様子を見守ると大抵1時間以内に血が止まります。止血を確認後、消毒をすれば問題ありません。
⑦ 注射射部位が固まってしまいました。
注射を打ってから、注射した部位がぷっくりとした形で固まることが度々見られます。注射直後にはぎゅっと押してあげたり、よく揉んでください。
それでも固まった部分が無くならない場合は、時間がある時に摩ったり温めてください。数日後には固まった部分が無くなります。固まった部位がある場合、その周辺への注射を避けてください!
⑧ 薬が注射から漏れたかも
注射薬には粘液性があるため、もし漏れているならば擦っても落ちにくくベタベタした感じが残っています。かなりの量が漏れた場合、漏れた同量を注射した方が良いです。薬はウェットティッシュやアルコール綿でよく拭き取ってください。
⑨ 失敗し、皮内・筋肉注射になってしまったかも
薬が皮内や筋肉に入ることには大きな問題にはなりません。しかし皮内に注射を打った場合には、その部位に炎症が生じないか良く観察してください。
⑩ 注射を打った部位の毛が抜けました。かさぶたができてしまいました。
注射部位が禿げたように毛が抜け、かさぶたができることはよく起きることです。かさぶたが自然に取れるまで放置し、毛はかさぶたが治れば再び生えてくるので心配しなくても大丈夫です!
⑪ 注射部位に炎症・壊死が起こりました。
注射部位が開いてしまい壊死が起きた場合は、必ず動物病院で処置を受けてください。適切な処置を受け、ケアをすると治っていきます!
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猫でんちは4回に渡った治療(注射)編の作成に向けて、治療中の猫ちゃんやご家族のたくさんの協力を得てきました。ありがとうございます!
猫でんちが紹介した注射のお話は既に新薬治療を終えている、あるいは治療中の飼い主さんからのノウハウを集めてサイトのどこかにある散らばった情報ではなく、一つのまとめた情報を提供ができるようにと注射の治療編という記事を書き始めました。
今回のFIP治療注射編だけではなく、猫伝染性腹膜炎と戦っている子たちをケアするために、体も心も大変な猫ちゃんのご家族の為にこれからも役に立つような、より充実した情報を選んでお届けできるように感張ります^^