FIP治療情報

胸水と腹水 – 穿刺

猫伝染性腹膜炎の診断を受けてからサイトを見つけている方もいるかもしれませんが、FIP治療初期である胸水や腹水があると言われた時に気になるであろう「浸出液は抜いても良いのか」ということをまとめていきます!

溜まった腹水や胸水、穿刺はしても良いの?
穿刺(せんし):注射器で腹水や胸水等の溜まった浸出液を抜くこと

胸水:〇 必要に応じて抜く
腹水:✕ 抜かない

腹部(腹水)、肺周辺と胸膜の間(胸水)、心臓周辺と心嚢の間(心嚢水)に猫伝染性腹膜炎(FIP)を含めた特定の疾患によって体液が過度に貯まることです。

FIPにかかた猫ちゃんのうち、主に腹水や胸水が確認された子はFIPの「ウェットタイプ」と診断され、病院では穿刺を進められる場合も多いです。

胸水の場合、浸出液が心臓や肺等に影響を与えています。呼吸困難や低酸素の状態を引き起こし、ショック死の危険性もあるため、必要な場合には穿刺を行っています。

胸水が溜まっている子は、酷い呼吸困難を伴う可能性が最も高く、呼吸困難を緩和させるために少量の胸水の除去を行う場合があります。その他にも状態が安定するまで酸素室を利用したり等、胸水がなくなるまでは2週間に1回の検診とこまめな観察とケアが必要です。

GS-441524を使用した胸水の回復時期
 ・24~72時間以降は呼吸状態が悪化することは無い
 ・胸水が抜け始めるまでは1~2週間程度かかる
 ・胸水が完全に抜けるにはGS-441524治療開始から3~4週間かかる

腹水は徐々に溜まったり、急に溜まったりと猫ちゃんによって浸出液が溜まる速度は様々です。しかし腹水が溜まった分、体重も増え、体液が腹部に集まることで脱水を引き起こす場合もあります。

腹水は一般的には穿刺(注射針を使って滲出液を抜くこと)は推奨されていません。

一度に多くの量の腹水を抜いても、再び急速に溜まる、血液量が大きく減るため、心臓ショックや臓器の損傷を引き起こす可能性があります。腹水を繰り返し抜くと体内のタンパク質の枯渇(腹水や胸水は高タンパク質という特徴がある)に繋がります。体液や電解質のバランスが崩れて有害な変化を及ぼす可能性が高いです。

GS-441524を使用した腹水の回復時期
 ・一般的に7~14日以内にかなり減る
 ・GS-441524治療開始後から3~4週目には腹水が無い状態

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